飛沫が飛び散らない方法で歯みがき!
飛沫が飛び散らない方法で歯みがき! 新作動画『ウィズコロナ時代の新しい歯みがき方』を!!!!
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている昨今、唾液による飛沫感染のリスクの高さが指摘されており、歯みがきやうがいをした際に出る飛沫による感染を心配する声もあることから、歯みがき時に飛沫がどのくらい飛ぶのか、チリやホコリが無いクリーンルームで実験した様子を本動画で紹介しています。
その結果、口を開けて、特に上の前歯の裏側をみがいた時に大量に飛沫が出ましたが、口を閉じて歯みがきをした際は、同じようにみがいても飛沫は飛び散りませんでした。
動画URL 「ウィズコロナ時代の歯のみがき方 口を閉じてみがきましょう」(4分59秒)
・日本歯科医師会HP「日歯8020テレビ」
https://www.jda.or.jp/tv/99.html
・日本歯科医師会YouTube公式チャンネル
https://www.youtube.com/user/dent8020
コロナウイルスに対する最も大切な予防法は、口の中をキレイに保つことなんです!
ニューノーマル時代の歯磨きの新しい意味とは?
ニューノーマルとは、コロナ禍によって注目されはじめた新しい生活様式を総称した言葉です。「New(新しいこと)」と「Normal(正常、標準、常態)」の2単語が融合して生まれた造語で、以前の生活様式や経済活動、ビジネスからレジャーまで、あらゆる行動を時勢に合わせてアップデートしていく動きのことを指します。
生活のあらゆる局面で「新たな常識」を意識することが必要です。
歯磨きの習慣について、日本では、江戸時代末期に非常に多数の歯磨剤が売られていたことが記録で残っています。口腔内を清潔にすることの意味は、科学が発達する以前から大切な事として根付いていたのです。
現代では、主にむし歯や歯周病の予防を第一に考え歯磨きをする人が多いと思います。また、口臭の予防などのエチケットという意味も含まれるようになっています。そして、ウイルスから身を守るために、いま口腔が注目されています。
サイエンス・イムノロジーという高名な科学雑誌に掲載されたIshoらの論文で、口腔は新型コロナウイルスの増殖部位である可能性を紹介しています[1]。私たちの研究でも新型コロナウイルスの生体内侵入に必要な分子が、口腔粘膜、唾液、舌苔にあることを発見し、口腔が新型コロナウイルスの感染の入り口になることを示してきました[2]。
ウイルス感染から身を守る方法として、インフルエンザウイルス対策でのこれまでの経験から、口腔のケアの大切さが強調されています。特に、口腔を潤す唾液中には、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスをブロックするIgA抗体が認められ、感染を予防しています。しかし、IgAが効果的に働くには、口腔が清潔であることが大切です。
口腔を清潔にするために、歯磨剤を使用している人が多いと思います。この歯磨剤に含まれる比較的有名な成分には、ラウリル硫酸ナトリウムなどがあります。私たちの最近の研究で、この歯磨剤や洗口剤に広く使われている複数の成分(テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等)が、新型コロナウイルスの生体への結合や侵入をブロックする可能性を明らかにしました[3・4]。さらに、IgAの活性には影響を与えないことから、生体の持つ免疫機構を阻害しないことも分かりました[3]。
このように口腔に侵入してきた新型コロナウイルスは、歯磨剤を用いた歯磨きで感染を予防できる可能性があります。また、既に口腔に感染している新型コロナウイルスは、歯磨剤を用いた歯磨きでウイルス量を減少させることも期待されます。
ニューノーマル時代の歯磨剤を用いた歯磨きは、むし歯や歯周病の予防と同時に、科学の力によりウイルス感染対策という新しい役割が見いだされたといえるのではないでしょうか。歯磨きは、誰でも気軽にできる健康のための第1歩です。ぜひ、歯磨きを積極的にしていきましょう。
骨吸収抑制剤についての医科歯科連携用紙、情報提供書をダウンロードできるように添付しました。
令和元年 第11回 すこやか橋本まなびの日
令和元年11月24日(日)午前9時30分より、和歌山県立橋本体育館にて、すこやか橋本まなびの日が開催されました、「豊かな感性とたくましく生きる力を育み、生涯にわたって心豊かに過ごしていくために、地域の中で世代を超えて学び、心身ともに健康な人づくり、温かいふれあいの地域づくりの契機とします」を趣旨とします。
「人づくりはまち全体で行う」をテーマに、また「みがけ!五感 みがこう!五感」をサブタイトルとして、NPO法人や社会教育関係団体その他の任意団体等の参画によって、さまざまな体験ブースや啓発ブースが、毎年開催されております。
伊都歯科医師会では、「歯科健診」、「歯と口の健康相談」及び「歯の模型作り」の各コーナーを設けました。
総来場者数2244名のうち、歯科健診には、子供からご年配の方まで401名の方々が参加され、お口の健康についてのアドバイスを熱心に聞いておられました。
生活を豊かにするためには、「食べられるお口」にする事がとても大切です。そして「食べられるお口」に必要なのは、出来るだけ多くの歯が残っていることです。80歳で20本以上の歯を保つことを目標とした8020運動は、20本以上の歯があれば食生活にほぼ満足できるとの結果をもとに行われています。
このような健診事業の目的は、歯を失う原因であるむし歯と歯周病を早期発見し、予防に対する正しい知識・情報提供を行い、生活習慣を見直して頂くことにより、歯の健康状態が維持され、多くの歯でしっかり噛めるようにすることにあります。よく噛んで食べることは、メタボリックシンドローム、認知症予防に効果があり、特に歯が多く残っている人では、認知症の発症や転倒する危険性が低いことがわかっています。また、おいしく食事を楽しむには、歯を残すことと同時にかみ砕く(咀嚼)、飲み込む(嚥下)といったお口の機能も重要で、これらの機能の低下は生活の質に大きな影響を及ぼします。お口のささいな衰え(オーラルフレイル)を放置してしまうと全身的な機能低下が進み、要介護のリスクが高まることから、健康寿命を延ばすには「歯を残すこと」と「お口の機能を保つこと」の両輪で取り組んでいく必要があります。
また、歯の模型作りでは、子供たちにとって身近である工作作業ということもあり、一生懸命に歯の模型作りを楽しんでくれました。子供たちがこの模型作りを通して楽しみながら歯の構造をよく理解し、自分の歯や口の健康状態に少しでも関心を持ってもらい、そしてこの経験を活かし健康上の問題について自ら考え、歯みがきや食生活などの生活習慣を主体的に改善できる力を身に着け、さらに生涯を通じて健康で活力のある生活を送れることを願っていければという想いで行ったコーナーです。
今回の健康事業は、この橋本地域に暮らす方々の1人でも多くの方が「健康なお口で生涯を過ごしていただきたい、安全で安心な歯科治療をうけてもらいたい」という思いのもと、地域の皆様と共につながることのできる1つの窓口として行ったものです。
「豊かな生活はお口の健康から」
伊都歯科医師会はこれからも、心身ともにすこやかなる健康のための橋本を目指し、皆様と共に歩んでいきたいと思います。